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190310 PRAY In The FLAME ①

・今回のライブのテーマは「PRAY In The FLAME」

…基本的に多分、水属性だったり寒色イメージな感じのわたしにしては珍しい気もしつつも、

去年の9月以降、考えたことや、また新しく出会った作品などから感じたこと、

それと過去の記憶をまたたどって重ねたり…いろんなことを統べると「今」はこのテーマだ、と思いました。

・このテーマが決まる少し前から、

「火をつけよう」「焼き払おう」-と高らかに歌う曲の骨組みが出来ていました。 当初掲げていたタイトルは「razbliuto」。

(後ほどそれが架空の造語と知り、それも面白いなと思いつつ、最後変わりました。)

・ライブ直前、もちろんですがとても緊張していました。

開演少し前に、キャスライブの時もいつも一緒のPAさまとVJさまと出会い、円陣を一緒に組んでいただきました。 「燃え尽きるぞ!!」「「おー!」」

・一度目のライブも二度目も、そのときの全力で歌わさせていただいたのですが、 思い返しながら、所々「自分で自分の感情をひっこめてしまった、

自分をさらけだすことにおじけてしまった」と思う箇所がありました。 今回こそは(もちろん歌が正確であるに越したことはないけれど)、

もっと自由に、「自分の歌」を、「自分の歌いたいように」、思い残すことがないように、歌いたい、 この瞬間のわたしを見て欲しい。

CDとか録音ではない、今の生きている素直な感情のままの歌声を聴いて欲しい、 今、わたしが存在していたことの証人になって欲しい― 【WITNESS ME】 (というとマッドマックスが出てくる方もいらっしゃると思いますが!^^;) と思いました。

・一瞬の舞台、この瞬間のためにわたしたちはいろんな準備をしてきました。 ひとり毎日何時間も歌って、弾いて、練習して、

自分の曲に、そして過去の自分に 時に泣きながら向き合いました。

そしてみなさんも、この一瞬のために、予定を調節されたり、

色んな準備をしてくださったり、応援やメッセージをくださり、遠くからお越しくださいました。 この奇跡のような「今」を、鮮やかに晴れやかに燃え盛る炎で彩りたい。

そんな祈るような気持ちでした。

◆01.楽園焼失

最初のSEと綺麗な映像がながれて、幕の向こうにはみなさんがいらして、

すごい緊張の中、同じくらい感動しました。

≪楽園焼失―とても初期の作品。

「自分の描く楽園は、きっとこんな音色の世界だろう」と作った音の世界。≫

なので、この音楽が響く中、幕を見つめながら「ここは楽園だ」と思いました。 また、「ここを、自分にとってだけでなく、みなさんにとっても『楽園』にする!」とも。

自分があのとき、ひとりぼっちで鍵をかけて閉じこもって作った、頭の中だけの楽園じゃなくて、

今はひらけていて、現実で、ひとりぼっちじゃない。

…でもこの曲はやはりずっと緊張も強かったです。 楽園で戦うような…楽園で戦うような…!?

・ぽつりぽつりとこぼれる涙の波紋で、湖に映る自分の顔が「こわれる」という歌詞が今でも好きです。 また、「臆病者だからこそ、どこまでも残酷になれる」思いを込めた、「火をつけた」ところも…​

映像も、最後のサビの「火をつけた」の部分でぱっと明るくしてください、とVJさまにお願いしました。

そこから本当に、ライブが始まるような…!

◆02.HerTears

ゲーム「UNDERTALE」より、「Heartache」のヴォーカルアレンジカヴァーを

歌わさせていただきました(今回の唯一のカヴァー曲でした)。 炎の魔法を使う「トリエルママ」の視点の曲です。

イントロが流れ、緊張の中、「わたしはトリエルだ、わたしはトリエルだ…!!」と何度も心の中で唱えました。 彼女の炎はとてもやさしくてあたたかくて、けれどとても激しい。そして強い。 自分の描く 彼女の、聖母のような優しさと、

自分の孤独のために子供を閉じ込めたいだけなのかもしれない、という

ひとりよがりな気持ちと自問する葛藤の炎を表現したかったです。 緊張とも戦うような気持でした。

◆03.READY

・イントロがはじまるとわくわくして、

「ぼくはアレクだ!!」と別人になれる気がして、緊張がふっと溶けていく気がしました。

「ぼくはアレク!いま、ミス・スリープへの愛と懇願を期待を高らかに歌うのを、

みんなに聴いてもらうんだ!」と。 「こんなにもミス・スリープのことを愛しているぼくを、みて!」と。

・きっとこの曲は、「眠り」「忘却」(または微かな やすらかな死)への懇願 悲願、休みたい…

という気持ちのベースがもありながらも、 「ミス・スリープ」への熱烈なラブソングでもあるのだと、歌いながら感じています。 好きな人のことを語ったり歌うのは楽しいです(だからきっと世の中にはラブソングがたくさんあるのですね)。

「ああ、夢もない眠りだけが欲しい」 「からっぽの、忘却の先へ」 この部分がこの曲の「骨」、アレクの本質だと、 わたしの中にいる 冷たいまなざしをした彼になって、歌っている気持ちになります。

・後半楽しげに入ってくるNightmareの旋律も、私的にとても気に入っています。

(Nightmareの曲では「サイレン」「警報」「終わらないループ」の象徴として入れているフレーズですが、

READYでは楽しげに聞こえる気がしませんか!)

でも最後には、ひとりぼっちで閉じこもっているエメラを思います。

■MC 01■

・ツイキャスの時もの、いつもの青いパターンの映像になると

「お家感」がフっとでてきて…!

どんな言葉から発すれば…と、血迷った果てに両手をピョーン!と上げました。 優しく暖かい拍手や声援がとてもうれしくて、ホっとしました…ありがとうございます…! ・ワンワンライブ~~~~! ・自分でも何をお話しさせていただいたのかあまり覚えてません;;でも本当にありがとうございます…!

◇04.ROLE PLAY / ピアノ

・「READY」でアレク君になって、

MCでさらに緊張も和らいだのですが…ピアノ一曲目として非常にドキドキしていました。 でも、曲に入り込めた気がします。

・最初 わたしは「ストーリーテラー」になりました。 一番が終わって…

白い世界を 低い鐘の音で一瞬で真っ赤に染める気持ちで、

低音の「A」をオクターブで響かせました(「A」の音は、私的に赤色の音です)。 そこから、わたしは「きみたちが なかよく『せいぎ(笑)』を歌えるための あく」 になりました。

嘲笑するように、時に荒々しく響いたかもしれませんが、 「なりたいぼく」になれない、望まれない残酷な世の中への叫びと、 「必要として欲しいただひとりのきみ」への自己犠牲的な愛と、 「自分にすら わすれらてしまった自分」への悔恨を 思うままに歌わさせていただきました。

・「ぼくは忘れてしまったよ」と強く歌い切ったあと、息を吸うとき、

いつも良い空虚感を感じます。(良い空虚感とは)

◇05.あなたのいる孤独 / ピアノ

・ROLE PLAYの終盤の音型と似ているイントロ。 素直な気持ちで歌える曲かも…「わたしは○○だ!」というモードに入らなかったです。

・「あなたがいたって むなしいな」 は、私的には笑っているように歌いました。自分自身に対しても、「あなた」に対しても…

・この曲だけでなく、今回のライブでは「笑いながら」歌っているように聞こえたらな、と 

笑いながら歌わさせていただいた箇所が多いです。

「笑い」には本当にいろんな意味がある。

あきらめ、軽蔑、嘲笑、自虐、偽装、楽しいと自分に思い込ませるために笑う

去年の、1度目のライブよりもずっと、表情豊かになっている自分に気が付きました。

過去から日常ずっと、人の顔をうかがってばかりで 

プラスマイナスあらゆる気持ちを、言葉や表情で素直に出すことのできなかった

または 時に偽装した笑顔や悲しそうな顔を作らざるを得なかった自分が、 舞台の上で、正直に堂々と自分の本当の感情をさらしている。

それを許してくださり、その歌を聴いていただけることが、本当に奇跡のように感じて、うれしくて…

◇06.灰色の幻影 /ピアノ

・読まさせていただいた詩は 「夜鶯」ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフでした。

・…実は今回読まさせていただいた原典が、10年前に自分が図書室から書写したノートで、

そこに書いてあったタイトルの「鶯」の漢字が間違えていて、読めず調べられず…

ライブの時に「夜鳥」と言ってしまいました。

ファンのお方のひとりが、ライブののち図書館に行かれ、

正確なタイトルや解説をご丁寧に送って教えてくださいました。

本当にいつもありがとうございます…!

・この、「誰も目覚めていない夜」や、

「あのひとは ぼくを夢みているのだ。」という静かに狂った妄信が大好きで、

「灰色の幻影」やアッシュというキャラクターに影響を与えている詩です。

(また、アイヒェンドルフさんは「あこがれ/Sehnsucht」という詩も書かれています

(こちらは有名なのですぐでてくるかと…!)。

「灰色の幻影」の海外向けタイトルを「Monochrom Sehnsucht」(無彩色のあこがれ/独語)にしたのも、「Sehnsucht」という単語を使いたかったからでした。)

「あの鳥達が 何を囀っているのか。

 ぼくはそれを知りたい。

 こんなにも美しい夜 

 あの鳥達の他に この世界では誰もめざめていない。

 夜よ 雲よ 

 君たちはどこへ行くのか。  ぼくはそれを知っている。

 隠者が鐘を鳴らしている。  その音も、あのひとの耳にはとどかない。

 誰も あのひとを おどろかさないように、  神様は あのひとを あそこにやすませ、  月の光ですっぽりつつんでやった。

 そこであのひとはぼくを夢みているのだ。」

「きみはぼくのものだ!」という詩よりも、 「ぼくはきみのものだ!」という、ちょっと自惚れを感じるような詩が好きです。

このお話はいつか いろんな詩を引っ提げてさせていただきたです…

・1stライブの時も歌わさせていただきましたが、前回よりもずっと楽しく

「ぼくはアッシュだ」と、入り込むことができました。 「なにもつかめない両手」を嘲笑して、 「ぼくだけのためにある まぼろしのきみがいる」と、 狂気じみた確信を、笑顔で歌う… そして自分が張った 残酷な罠だらけの湖の周りを、

孤独に楽しく狂気と踊り舞う彼をイメージした、後奏のピアノのパッセージ…

まだきちんとした音源にない曲ですが、

ライブで聞いていただけてうれしいです…!



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