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どこかのおとぎのような国のお話。

かつて人魚たちは「人々の心を狂わし 死に至らす歌を歌う」と恐れられ

処刑されてきた。が、革命が起こり

一転、「人々の心を癒し 苦悩を忘れ去らせる歌を歌う」と

たたえられる時代になった。

以降、「人間の歌」と その演奏会は見向きもされなくなっていき、

歌手だった者や それを目指していたものは失意にのまれていった。

―――

表現したいという衝動は何か。誰に何を伝えたいのか。

多数に、社会的に有益で認められなければ無価値なのか。

「こころがある」芸術とは何か。

​・・・。

これは、逃れられない 鬱々とした影を心に抱えながら

芸術と共に生きていく者たちの

日常系ほのぼのファンタジー物語。

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