20180310 The Other Side Of The MAGIC MIRROR
2018年3月10日、初にしてワンマンライブを無事に終えることができました。
来てくださった方々や、支えてくださった方々、上司さま、スタッフのみなさまに心から感謝の気持ちを改めて申し上げます。
いろいろ思うことがあり、書きつくせず、また どこから語ればよいのかわかりませんが…
セットリストの曲順ごとに、つらつらお話しさせていただこうと思います。
(今月イト奇つうしんがおやすみだったので、そのかわりになればと…!)
長くなりますが、よろしくお願いいたします。
01.マジックミラー
今回のライブタイトルの曲であり、全編通してところどころに流れた曲でした。
「それは楽しい、夜が はじまるよ!」と根拠もない
ただのきらびやかな希望のような 断言をしてからの、
切実な願いのような「ぼくにこたえて、おくれよ…」、"とおくへ呼びかける"ような「ラララ…」、
そして少しずつあらゆる楽器がフェードアウトしていき ピアニカの音だけが
さみしく取り残される、という…結局ひとりぼっちで終わってしまうこの曲の
物語の性格を、ライブでより強く感じました。
(最後のピアニカの単音を伸ばしていると「いつまで息が続くかな選手権」
的なものをやっている気持になります)
02.ROLE PLAY
ROLE PLAYは、自分の曲の中では 多くの方に
どこか共感していただける部分がある曲だと思っていて、
それこそ「意味がもうわからない」のところで両手をひろげるのですが、そういった感じに
自分にとって「ひらけている」「赤と白と黒のイメージが強い、鮮やかな」曲です。
なので序盤、2番目にこの曲をガツンと持って来たのは緊張しているであろう
自分への勇気づけでもあったりしました。
自分も、人生において「役割を手に入れられない、なんの一番にも 何にもなれない、
誰にも必要とされない」というぐしゃぐしゃな気持ちがあった、あるのですが、
「その気持ちからできた曲と世界を―≪ROLE PLAY≫を、
≪お越しくださった皆さんの前で表現し歌うことのできる ROLE≫を
今、自分は手にしているんだ」、という強い気持ちが沸いて、
自分の役割を全うしたいと堂々と歌わさせていただきました。
03.忘却舞踏
「自分の役割を求めるROLE PLAY」と、「与えられた(また自ら課した)役割や
イメージをすべて捨て去った先で、本当の自分を見つける忘却舞踏」は
わたしの中で切っても切り離せない2曲で、
メロディにも引用フレーズがあることから 続けて演奏できてよかったです。
ここではじめて登場されたダンサーの美紅さん。彼女と、この曲はどのようなイメージか―
主人公はどのようなお姫様か、この歌詞や流れにはどういった気持ちがあるのかなど、
いろんなお話をしたり、動きがリンクするところなどもアイデアを出したりしてくださいました。
間奏ではツイキャス時のように、わたしも左右にステップを踏みました
(「ランララステップ」と呼んでいます)。
複雑に苦悩を表現しながら美しく舞われる美紅さんの舞台のど真ん中で 幼稚園児ばりの単調なステップを無邪気に踏む対比にシュールな滑稽さも感じて、個人的に「スミマセン」という気持ちと楽しみが同居する場面でした。
「あこがれを、壊してしまうの」の歌詞のところで 鏡を壊す演出もとても好きです。(使用していただいた「鏡の枠(額)」の画像もすべて過去に自分で描いたものでした。)
そして最後のフルートは…10年弱ぶり?で、ワンフレーズだけでも吹けたら…と
急に思い立って去年末から練習を再開しました。驚いていただけたでしょうか…
またフラソさんを見習って頑張って練習し、もっと活躍させたいです。
MC
思った以上に、皆さまの表情や空気感があの幕でみえづらく…
(おそらく当ててくださっている光や映像の関係で、
【皆さま→わたし】より【わたし→皆さま】のほうが見えにくかったようです><;)
でもあたたかい拍手やお声に、とてもうれしくホッとしました。「いる~~~~~!!」は絶対言いたかった…笑
開演前BGMへのお言葉も、準備して作りこんできてくださった【Real Star】うちわにも感動しました…!
04.74(Composd By Toby Fox)
曲紹介の時からドキドキだったのですが、盛り上がっていただけて良かったです!
ヒーローのパートを歌われた彼にもあの瞬間をお見せしたい…!
はじめてTobyさんに、Alphysばりに熱く長いUNDERTALEのファンメールを送ったのは2016年の7月のころでした。そのとき、ネットのみにアップしていた「ROLE PLAY」を聴いてくださり(のちにタワレコ版がでるときに、コメントもいただきました)、そのお返事で「いつか君に曲を歌ってもらえたら面白いかも!誰にも歌をかいたことはまだないけれど」と仰ってくださったのですが、まさか本当に実現するなんて…感動と感謝の気持ちで、夢のようです。
…と いろいろ語りたいことはあるのですが、また改めて…!
「ヒーローの騎士が 罠とモンスターでいっぱいの塔(74階)に囚われたお姫様を助けに行く」という、一見 王道的でありながらも、予想外な展開になり ダークな真相を持ち合わせている物語がTobyさんらしい歌詞で、曲調も明るく痛快な感じが素敵です。
いろんなやりとりや相談などを重ね、時間をかけて作り上げられた大切な曲になりました。
また詳細の発表を楽しみにしていてください…!
05.四角い世界
ここからピアノ弾き語りになりました。
(正直に申し上げると「弾き語り」は苦手で―
「一度にひとつのことにしか集中できない性格」なので、歌とピアノを両立させることが難しく…
練習してもしてもうまくいかず、そんな自分に悔しく時に涙もしていました。
でも、演奏できるようになれてくると 弾き語りならではのいろんな表現をもっとできるようになりたい、と楽しくなり、ライブでもグランドピアノで演奏できて本当によかったと思っています。)
お客様の反応が見えにくい中、すすりなかれるような音が聴こえる瞬間が
時にピアノ弾き語りのときで、ああ、自分の歌や心がちゃんと届いているんだ…と
なんだかその声が ひとつのたよりの光のように感じました。
ピアノ一本だからこそ引き立つ声、言葉をより大切に歌おうと思ったり、
ピアノ一本で様々な楽器の音色や感情の起伏、強弱を表現したかったです。
06.灰色の幻影
新曲…のようでそうではありません。ここ創作世界「PhantomAria」のトップページで、
時期によって変わるメロトロン音色のBGMとして現在設置しています(よければ流しながらこのブログもお読みいただけたら、と思います…!)。
もとは歌付きで生まれた曲なので、当日演奏できることが楽しみな曲のひとつでもありました。
歌詞は、物語の主人公-まぼろしの、二度と会えない人魚に恋するアッシュ青年が視点で
「だれもが眠る真夜中の、ひとりぼっちの湖で、自分だけが だれも知らない
美しい秘密が、まぼろしがそこにあることを知って(妄信して)いて、それに呼びかける」
…といった内容の曲です。
そんな、ちょっとひとりよがりな性格も含め 古い映画のエンドロールなどに流れて欲しいような、自分にとってとても大切な曲です。また良い形で音源化したいです…。
またこの曲順も、「四角い世界」で鮮やかな、「なないろの夢」などのイメージを歌ったあとに、
アッシュ…「灰色」になる、というところも思いを込めました。
~SLEEP HOUSEのおはなし~
07.Nightmare - 08.READY
急にゲーム風紙芝居がはじまりました…!
BGMも3つ、新しくメロトロンを用いて制作しました。
1曲目は完全新メロディ、2曲目は「Nightmare」モチーフ、3曲目は「体内時計」をモチーフにしてつくっています。こういった小作品的BGMを作ることも好きかも…と思いました。
「SLEEP HOUSE」-睡眠に関して苦悩を抱える者たちが住んでいる館、の物語は
ずっと前から頭にありました。そしてNightmareよりも前に、最初に出来ていた曲が、
「不眠症で苦しむ主人公の歌」-READYでした。なので「I'M SO READY」のドアサインがNightmareのMVに登場していたのは、その伏線でした。
(つまり、もうひとつのドアサインの曲も…!?)
眠りは死の兄弟、「仮の死」「死の予行演習」という表現が昔からあったりしますが、
この明るい曲の主人公が迎えを待っている「眠りのメガミサマ」の眠りはどのような眠りなのか…
またSLEEP HOUSE関連曲もうまくまとめて発表したいです…。
「ドレスコード・パジャマ」のライブをするのはずっと夢です。
スイスにいたときに、学校で「パジャマ・ディスコ」のイベントの日があったのですが、
当時は気恥ずかしさから行けず…後悔をひきずっています…。
今だったらヒャッハーテンションで誰よりもはしゃいでしまいそうです。
夢を語るのは自由でよいものですね!
ちなみに今回登場した双子のキョウダイーアレク、サンドラの名前の元ネタと色合いは
宝石「アレキサンドライト」から来ています。
昼のエメラルド、夜のルビーと言われているそうで… ヒッキーの妹エメラちゃんはそこから。
また、お姉さま的存在のルビーちゃんも 今回は登場していませんが います。
09.ぎんがにねがいを - 10.Walking in the Air
カヴァーが続きました。
ぎんねがは…歌っていてやはりいろんな気持ちがめぐりました。
自分の曲を知っていただけたきっかけや、また素敵な出会いをたくさんくれたのは、
わたしたちが見ていたおんなじ星―カービィと、その世界と音楽でした。
ライブで歌うことができて本当に良かったです。
「自分のアツくなりやすい性格が出てくる曲パート1」だったかと思います…きちんと歌えていたかなあ…
Walking in the Airも、しんしんと降る雪の世界の映像の中、のびのびと歌わさせていただきました。感想を書いてくださった方のブログでも、印象的だった曲として挙げていただき、うれしです(ネットに公開しているのは2011年版なので、新しくコーラス等録りなおした版もまたアップしたいです…)。
11.パッチワーク
穏やかに歪んでいる、前向きだけど何かを諦めている、
…何度か発言したことがあるかと思いますが、
「骨折しながらも走り続けることを受け入れた」気持ちを含んでいるような曲です。
それでも、包み込むように、希望があるように、やさしくおおらかに歌い上げることができていたらなと願います。
ちなみにこの曲の間奏でもフルートを吹く予定でした。しかし最初のサビの後のあいだでフルートを取りに行くことをすっかり忘れてしまい、
吹くつもりだったメロディを「ラララ…」と小声で歌っていました…^^;
12.環-cycle-
これも、歌っていていろんな思いがめぐる曲です。
自分にとって新しい門出、スタートを飾っていただいた大切な曲で…。
曲の始まりから、いばらのように緑のツタが絡まり広がっていく映像世界に、「自分は自然の一部になるんだ」とスーッと心を落ち着かせていました。また、美紅さんの踊りも…「環を描いたり、繰り返したり、また鳥のようになったり」、絵のようなシーンが印象的でした。
また「その鳥は親鳥か、ひな鳥か?」という疑問の話し合いもしたりして、面白かったです。
曲の最後では、イトキが親鳥、美紅さんがひな鳥のイメージになって、やっと目が合う…という締めくくりでした。
歌うたびに、見守ってくださった方々のことが思い起こされ、
本当に素敵な曲をいただいたことへの感謝の気持ちが沸き上がります。
自分の曲世界にはない、やさしさと広大さを感じます…。
13.RESET
気持ちががっと切り替わりました。
美紅さんのアツい、苦悩や「選び取れるこれから」「未来を見据えていく」ことを表現された踊りがとてもかっこよかったです。
…あまり語ることが思いつかないことから、とても素直な気持ちをぶつけることのできた、
ある意味自分の中で透明度の高い曲なのかもしれないと 今思いました。
MC
お話し。曲間の記憶はわりときちんとあるのに、MCの記憶のほうが薄いです…
でも反応などしていただけて本当にうれしかったです。
やはりツイキャスライブなどとは違い、お声を直接きくことができるということに感動しました。「フぉっ!」とか「頑張って~」とか本当に言っていただけるんだ~~、と;;!!
14.A Love Suicide
2011年の3月、はじめて自分がネットにアップしたカヴァー曲で、思い入れの強い曲です。
もとのゲーム「RULE of ROSE」の物語も、登場人物の心情も…
とても自由な感情の表現で歌わさせていただけけたと思います。
15.Wither
全編的に「自分のアツくなりやすい性格が出てくる曲パート2」です。
この曲も語れることが少ないです。どんな風に歌いたい、とかではなく
「ただ素直に感情を表現をしたい、でも感情表現が過度になって歌が崩れすぎないように抑えること等のバランスを気を付けなくては」…と心の隅で思いながらも 心の隅で思っていただけだったかもしれません…みたいな…
ある意味 等身大の自分が浮き彫りになる曲かもしれない、ような気がしました。
16.体内時計
はじまりの曲…もはや「おうち」感を感じながら歌いました。
自分は誰ともタイミングが合わなくて、同じ時間を生きているのに違う時間―
未来や過去や夢の中の時間―を見つめていて(きっと他の方もそうで、だからこそさらにすれ違いや溝が深い)、自分の番なんて来ることがなくて。
まるで時計のない、カーテンを閉め切った部屋にとじこもり『わたしが起きたらわたしの朝で、調子が良くなってきたら夜。わたしの体内時計が基準で法律』という世界に 拗ねたように閉じこもっている、ような…。
それでも、本当はいつかそこから出たい。
誰かと同じ瞬間≪MOMENT≫を共有しているんだ、と思ってみたい。
一緒に夜明けの、移ろい変わる「同じ」空の色を見ながら、
「あれは瑠璃色、青く燃えるようなラピスラズリの色だよ」
「違うよ、朝露に濡れた 開いたばかりのスミレの花の色だよ」と
「違う」受けとめかたのお話をしてみたい。
…脱線してきました。でも、
今回のライブに向けて、一番 個人的に頭の中にあった言葉がありました。
「わたし(ぼく)のため だけ」です。
一番最初に発表したオリジナル曲「夢日記」でもあったフレーズでした。
「ぼくのためだけに咲く 白百合が香る」
「ぼくひとりだけに やさしい世界がある」
「ぼくのためだけに息づく君がいる」
…それ以外の曲の歌詞でも、ぼくだけ、わたしのためだけに、というフレーズは出てきます。
自分のためだけに存在してくれるものなんて、ふつうはそうありません。なくて当然です。
でも、あってほしいと願いました。また、これは自分のためだけなんだ!と妄信してひとりよがりな幸せを覚えたこともきっとありました。
自分のためだけにある世界と箱庭を作り固めて、幻の友達とお話もしました。
自分の番は来なくて、主役にも、一番にもなれたことがない。
ずっと「わたしの朝はまだだよ」状態でした。
…そんなわたしのために、いろんな方が協力し舞台をともに作り上げてくださり、
そして遠くから足を運んできてくださる方々がたくさんいらっしゃる。
対バンや、グループなどではなく、ひとりのわたしのワンマンを見るために。
そのことは本当に信じられない、わたしの人生の中で大きなことでした。
初めての「糸奇はな」としての舞台に、緊張と恐怖もありながらも、愛と感謝の気持ちをもって、堂々と舞台をまっとうしたいという決意を抱きました。
これがやっと来た「わたしの朝」かもしれない、でもみんなの朝は同時には来ないし、
「わたしの朝」も暮れる―でも今は「わたしの朝」なんだ、という気持ちで、
最後の歌詞は朗らかに、きっと明るい声色で歌わさせていただきました。
17.EYE
「体内時計」の最後にごろんと眠り、黒いレースの目隠しをして起き上がりました。
(舞台上で寝転がるのは気持ちがいいです…)
曲の2番になる前に目隠しを外し、まだ知らない外の世界を歩き出す…という演出でした。
美紅さんが花や蝶になったり、またわたしのいつも一緒のうさぎ人形くんともクルクル踊ってくださり、彼も大喜びだったことと思います…!
曲の後半になるとまた「自分のアツくなりやすい性格が出てくる曲パート3」の到来で…
「まだ見ない―出会えたこともない、存在するかもわからない【君】を」夢見て、熱望し、
そこにありもしない指や頬に触れ、輪郭をなぞるしぐさを 美紅さんと すれ違う鏡合わせのようにする瞬間は、とても胸が熱くなりました。
18.Lullaby
アンコールありがとうございました…!シンプルなピアノ一本の初披露の曲、「Lullaby」でした。
良かった、というお言葉もいただき、とてもうれしいです。
わたしにしては珍しくジャズ?調な和音進行の曲で、曲の内容はお話しした通り
「ララバイというタイトルだけれど、子守歌をうたって、とお願いしている人」の曲で(ここで問われるララバイの定義)
「子守唄をうたって、最初で最後、今夜だけ、
ぼくをあなたの子供にさせて、おねがい、今夜だけ…」といった感じの歌詞でした。
バブみ~~~~求む~~~~~
…と、本編全曲や思ったことでした…脱線したり拙い長文でしたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!
また次もできるようにっ…頑張ります…!!!