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Not For You


赤い花

沈黙は肯定

更新の間があいてしまいました。これから 曲「四角い世界」のイメージを取り入れた物語の断片を描いていきたいと思い…

今回の本編は「しあわせの絵」をテーマにした ダニエ「ラ」ちゃんと 彼女のかつての親友、デイジーちゃんの過去話になりました。

―「あなたの思い浮かべる「しあわせの絵」に、「わたし」は存在するのだろうか?」

と思ったことがあります。我ながら、なんだか恥ずかしいフレーズですね・・・。

そこから今回の小話の原型は 何年も前から浮かんでいました。

過去話でありながら、「アッシュの真夜中の朗読の習慣」を示すためにも欠かせない

エピソードとして このタイミングで描きました。

 

今回のテーマのひとつは「わたしのためじゃない」、そして「あなたのためじゃない」でした。

(「Not For Me」という言葉の響きが好きです・・・)

「誰かのため」と思い 行動すること すべてが、まず「自分のため」であると

わたしは思います。

今回のダニエルちゃんのように、「誰かのために、何かを作ったり、贈り物を準備したりする」

ことも、・・・「ダニエルちゃんがそうしたいから そうしている」だけ、で。

「相手がよろこんでくれたら」という願望は二の次で、ある意味自己中心的な欲求だと思います。

極端な例かもですが、・・・たとえば

全く うれしくないプレゼントを、苦手な方から

「あなたのために 準備してたの!よろこんでくれるといいな!」

と言って押しつけられても、

心から その気持ちに喜ぶことのできる人はいないと思います。

さらには、「せっかく 【わたしのため】に 準備した、と言ってくれたのに、

この方の 望み通り わたしは よろこぶことができない・・・」といった

罪悪感を覚えたり、その場しのぎで 偽りの笑顔と上辺だけの感謝の気持ちを述べる 自分自身に

嫌気がさす場合もあるかと・・。

しかし、ただプレゼントした側、捧げた側は

「あなたの為に準備をした(何をプレゼントするか悩んだり、手作りの場合 制作する)時間」

や、「あなたが受け取ってくれた」という事実だけで、満足するのだと思います。

ばいばい、と別れた後に 贈り物がすぐゴミ箱に捨てられていたとしても、

捧げた側は、知らない限り 「知らない幸せ」にいるのだと・・・

(「知らない幸せ」、という単語は 曲「スイッチ」のフレーズにもありました。私的に思うことのある言葉です・・・。)

※ある意味とても極端で冷徹なお話しをしていると思います!あくまでたとえ話だと受け取っていただけると願います・・・

アッシュさんの過去― 多分まだ「アシュリー」の時、の断片も描きました。

未だ「人魚」が悪とみなされ、発見され次第 処刑されてしまう時代。

彼は湖にいるマリアに、世界の情勢のことも、詩や物語も、

新しく何も知ることができないだろうと思い

色んなことを語りかけたり、彼女の見えるであろう範囲に 暗闇でも目立つ深紅の花を植えます。

それは彼の自己満足で、彼がそうしたいからそうしているだけで、

彼もそう自覚しています。

花を植える際、痛みと共に泥が深く入り込み よごれてしまった指の爪先を

ピアノの練習の合間にふと眺めては マリアと湖を思い 

幼い彼が虚しく うっとりする姿が浮かびます・・・。 

わあ!!なんてロマンチスト!!!

 

ベル君が動かないと 「物語」は進まないのですが、色々な小話で表現したいことも多々あり・・・

どの順番で描いていけばよいのか迷いますが、

衝動のままに いつも楽しく彼らの過去・未来を妄想し、描かさせていただいています。

「PhantomAria」は、

「仮面」「人魚」「音楽・歌・絵・詩(特にバイロンさんの)・芸術」「お酒」

「正装」「あこがれ・幻影」「妄想・盲信」・・・

といった イトキの大好きなモチーフを詰め込み凝縮させた世界です。

それこそ、わたしにとっての「四角い世界」―

「誰かの目 ひとつも 奪えなくても、わたしのためだけに 描き続けるの」―

でした。(四角い世界ー曲(demo)はこちらから(Youtube)

一番に表現・公開したい「音・歌・歌詞」という創作を、

ある意味「仕事」とできるようになるため、より良い物、形として磨きをかけて 

ひとつずつ完成度を高め 大切に発表していくため、

数年前 ―大学時代のように 衝動のままに新しい曲を作っては すぐに アップすることが

できない環境になりました(今の環境、会社や周りの方々に本当に感謝しています)。

それでも自分の感情、「いますぐこれを表現したい!」という鬱憤とした

行き場を失くした思いは募り募っていくばかりで、それが

「PhantomAria」の人物、世界、物語の創作の源のエネルギーになりました。

「わたしのためだけの世界」

「わたしのためだけの創作」

・・・矛盾していても、拙くとも、

誰より自分が創造を楽しみ、自分が この世界と彼らを愛そう、と 描きはじめました。

それでも、読んでくださり、感想をくださったり、好きだと言ってくださったり

また イラストや小説まで描いていただけることが この上ない幸せです。

本当にありがとうございます。

…このひっそりしたあとがきメモも、こうしてここまで読んで下さり本当にありがとうございます。

 

ベル君も動かしたいのですが、

エデンさまとフランさんを描いて

孤独なアッシュさんとダニエルちゃんの友達にしていきたいです・・・

今年中にお話更新は難しいかもしれませんが・・・またよろしくおねがいいたします!


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