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見えない過去、幻影


親友

人はみんな、過去、過去に出会ってきた人々にずっと囚われ続けている部分があると思います。

誰かのなんともない発言や

次の瞬間にも好奇と攻撃の対象が移り変わるような軽蔑の言葉や視線に

ある意味 勝手に深く傷つき、引きずり続けて…。

「人は変わる」。

― 「あのとき」の自分も相手も「変わって」いて、もう「いま どこにも存在しない」のに、

相手は自分のことをもうなんとも思っていないのに、

傷つけたことすら忘れている、いや、傷つけたことすら自覚したことがなかった人もいるだろうに。

傷と痛みの記憶だけが強く残り、ずっと自分を縛っている。

そしてその傷跡と柵に執着している自分がいる―

そういった思いの象徴の一部が形になった人物が「Daniel」でした。

まだ色々あまり深く描けていませんが・・・

今回も彼女の記憶の回想で一瞬出てきた「後輩たちにコソコソ軽蔑されているシーン」。

ダニエラは激しい羞恥心を覚え傷ついているのですが、

後輩達は別に「ダニエラ」という人物に「特別な恨みも何も」ありません。

きっと次の瞬間にも 彼女たちの意識や興味は「ダニエラの絵」から「素敵な他の絵」へと移りかわります。

「嫌悪、憎悪」ではなく「無関心、どうでもいい」のです。

ただ 彼女たちの様々な、あちらこちら行く話題のひとつになっただけです。

しかし、ダニエラにとっては ずっと軽蔑され続けている気持ちを根付かせるものになってしまっています・・・。

 

話変わりまして、やっと名前が出ました。ダニエルの元親友、「Daisy」

「わたしはあなたも、あなたの絵も大好きなのに」

デイジーちゃんは真面目で優等生で良い子、勉強熱心で努力家というテンプレートな人物です。

それでもスランプがきて、賞などが取れなくなり 自暴自棄になった時期に

励ましの言葉をくれたダニエラに ひどい八つ当たりの言葉を言ってしまいました。

デイジーは「絵を描くことを ただ楽しむことができる才能」のあるダニエラを ある意味 強く嫉妬していました。

血の涙

過去のアッシュ…アシュリーをいじめていた「Azure」。

彼も、「人前で自分の得意分野を堂々と表現できる」アシュリーに嫉妬していました。

(Ep.03で描いた「現在のアズール」は、画家として活躍しています。少年時代の彼は、「絵を描くことが好き」ということを、「男らしくない」と自ら思い込み 隠していました。)

しかし例の事件があってから、アシュリーを怖がり避けるようになったアズールもやがて

「あのアシュリーになめられるようになったのか」と 事件の詳細を知らない周囲の子供たちに

いじめられる番が回ってきます(悲しいスクールカースト制度、負のループ・・・)。

立場逆転

(しかしアシュリー君、「傍観」も立派な いじめの加担だから…有罪です)

メインの登場人物達が「どうして今こうなったのか」という過去にかかせない

モブたちのことも また物語にうまく絡めていきたいと思います。

ちなみに、そういったモブの名前は 関連するメインキャラと同じ頭文字にしています。

 

最後に今回の本編のテーマを少しだけ・・・

これはアッシュの個人的な持論ですが、

「何らかの形にして完成させるということ」が わたしにとってひとつの大きなテーマでした。

【PhantomAria】は、今年4月程から本格的に物語本編が始まりましたが、

2年以上前から「人魚があらわれ、人間の歌が必要とされなくなった」という世界観や

キャラクターたちの初期姿、小さなエピソードの数々をざっくり妄想していました。

物語や世界の矛盾点や、試みたことのない長さの漫画を描く技術、完成度など・・・

色々 この創作をきちんとはじめるに当たり 決意と勇気が自分の中で必要でした。

未だにカラーパレットや絵のタッチ、公園にいる子供たちのデザイン姿も定まらなかったり、ですが

自分なりに精いっぱい この【PhantomAria】という世界と登場人物に誠意と愛の気持ちを持って、堂々と楽しんで創造していきたいと思っています。

読んで下さったり、時折いただく感想のお言葉に 本当に心から感謝しています。

ちなみにM3秋(10/29)には 

【PhantomAria】関連の小作品音源などを出せたらと思っています・・・!

長くなりました。また続きもよろしくお願いいたします! そろそろエデンちゃんとフランさんを描きたいな・・・

★おまけ★

名前とカラー、姿がきちんと決まった公園の子モブ

おまけ

うお座のフィーシェちゃん(最年少)、しし座のレオナちゃん(推しが死ぬ)、

かに座のキャンスくん(ダニエルファンクラブ2号)


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