ファントマリア
【PhantomAria】というタイトルには、
「もう聴くことができない歌声/存在しない歌(Aria)」の「幻影(Phantom)」に囚われた者たちの物語、というテーマと、
一応主人公(?)であるAshさんが囚われている【Mariaの幻影】というイメージが重なっています(過去編1の最後のページ)。
Mariaとその歌声に魅了された幼い彼は 日々 湖に通いつめ 姿をあらわさない彼女へ一方的に語り続けます…。
今回の本編では、お気に入りの絵本「神の道化師」を出しました。
高校生くらいのころに出会った絵本なのですが…思わず涙が自然と溢れてきた、
わたしにとってとても印象的な物語でした。
絵も、やさしく神聖な雰囲気も素敵なので もし機会がありましたら是非。
キャラクターの性別についてなのですが、…実は主要キャラクターのほとんど(多分Daniel、Jack、Heine以外?)の名前が、両性で用いられるものにしています。この世界では人魚も無性別で、男女の文化的…?な感覚の違いがあまりありません(なのでAshさんがヒール靴を履いているのも自然)。
最初、「Ash」さんは「Alice」という名前の女性キャラにしようかと迷っていました。その名残?で彼には中性的なイメージがあります。けれどもやっぱり男性的な役割かなと思い、Ep.2の最後でDanielと手を取るシーンで、手をクルリとさせました。
Danielも、名前の「la」を削って…口調は女の子らしいものの、「少年」らしく描いていきたいと思っています。手を取るシーンで「どっちでもいいけど」と言うのも そこからでした。
「Heineさんのデザインが好き!」というお言葉を特に海外の方からいただいて とてもうれしいです。そのとき、「Heine」を指す言葉に「she/her」が用いられていてあああすみません(?)みたいな気持ちに少しなります…笑
Heineさんは生まれた時点で人魚だったので、元がどちらの性別だったか完全にわからない設定になっています。歌声もきっと、女性らしい繊細さと男性の力強さを兼ね備えた、この世の人間でないような魅力的なものなのかなとイメージしています。(「カストラート」の映画をちょっと思い出しました。完全声楽ですが…男性と女性の歌声を合成した音声が用いられています)
Chrisちゃんも、「女の子に見せかけて実は少年だった…!」みたいな設定にしようかと迷っていました。でもそれはちょっと重すぎるというか難しそうなのでやめました。でも彼女も「女の子」として描くより、「美少年」みたいに描きたいなと思っています。生きざまもタフな感じに。
(元ネタのイメージは「ヴィルヘルム~」の「ミニョン」。男の子みたいな女の子というところと、ミニョン関連の歌曲が個人的に好きなので…)
次回の更新まで また時間がかかりそうですが、頑張って描いていきたいと思います!